小瀬村真美 Mami KOSEMURA

明治神宮創建100年の良き節目を祝う神宮の杜芸術祝祭へ参加できることに感謝しています。荒地に築かれ、緻密な植栽計画と日々の営みによって100年という長きにわたって大切に守られてきた明治神宮の鎮守の杜は一つの希望です。作品は明治神宮の杜を撮影し、その現像は自然光によって行なっています。めまぐるしく変化する私たちの生活と感覚の中で100年守った美意識、100年後も守るべき美意識とは何か。自然の光と陰の中、ゆっくりと像が浮かび上がるのを待ちながら考えたいと思います。

 

小瀬村真美 Mami KOSEMURA

東京藝術大学油画専攻准教授/イメージフォーラム映像研究所講師。古典絵画を現実の事物を用いながら写真・映像表現として再現することで、絵画の裏に視点を差し込もうとする独特な制作手法を展開する。写真を使用したアニメーション技法からなる「静物動画」、絵画の内包する時間を凝縮する「静物写真」などによって、生々しい現実を捉えながらも静謐な絵画空間を再現する。

野村美術賞(2005年)、五島記念文化賞(2015年)などを受賞。Asia Societyのニューメディアアートコレクションの他、東京都現代美術館、東京藝術大学、関渡美術館(台湾)、群馬県立館林美術館などに作品収蔵。原美術館(品川)での個展(2018年、東京)の他、国内外の展示や映画祭に参加。