朝山まり子 Mariko ASAYAMA

自然礼賛と抽象化

扇形、そしてキャンパス素材の板に、どう写真表現をするのか少し考えました。
扇子は紙を折ったもの、そして写真も紙にプリントする共通点からプリントした物を折ってみようと考え、板と布の素材(シルバーにペイント)も余白で見せ、「御苑の鯉」「桜の咲き始め』「桜新緑と実」を配置しました。
写真は、この春かなり思い入れを持って撮影しました、神宮芝生の大島桜。その咲き始め、新緑と実。
そして御苑南池の鯉です。
日本発祥の扇子は、平安時代には和歌を花を載せて贈ったりしたそうです。
また、涼をとる道具ですので、花は桜、涼は御苑を悠々と泳ぐ鯉。
鯉も縁起物で、コイ(高位)や神様の使いと言われています。
ゴロ合わせで「恋、花開き、実を結ぶ」とも取れるので、意図せず、恋愛成就の扇面になってましいました、

 

 朝山まり子 Mariko ASAYAMA

熊本県生まれ。武蔵野美術大学短期大学芸術学科卒業、京都造形芸術大学芸術研究科卒業、京都芸術大学非常勤講師。 2010年より写真を始め、山登りが趣味であったことから山岳写真家としてそのキャリアをスタート。また、園芸や造園にも造詣が深く、その知識を生かして、主に日本の美しいランドスケープ作品を制作している。そのフレーミングには独特の才能があり、日本の四季や里山の動植物を扱った作品が多い。