鹿鳴

「奥山に 紅葉ふみわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき」(古今集)の歌にあるように、秋と鹿は静かで悲しみのある風景、というのが一般的だが、実は、中国では鹿の鳴き声はとても賑やかで華やかな様子を表現している。だからこそ、鹿鳴館という場所の由来になっている。その歌をイメージするような山にいる鹿を「鹿鳴」というタイトルの写真作品の軸です。朝山まり子は、自然を撮影することに定評があるが、今回も鹿のしなやかな姿と緑色が美しい山のとの対比が楽しめる作品となっている。

朝山まり子 Mariko ASAYAMA

熊本県生まれ。武蔵野美術大学短期大学芸術学科卒業、京都造形芸術大学芸術研究科卒業、京都芸術大学非常勤講師。 2010年より写真を始め、山登りが趣味であったことから山岳写真家としてそのキャリアをスタート。また、園芸や造園にも造詣が深く、その知識を生かして、主に日本の美しいランドスケープ作品を制作している。そのフレーミングには独特の才能があり、日本の四季や里山の動植物を扱った作品が多い。

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