五輪図 火 五輪図 地 五輪図 水
宮本武蔵の『五輪書』から着想を得て、それぞれ火・風・空・水・地をテーマに描いた中の「五輪図 水」。
武蔵は『五輪図』の中で他流派を徹底して否定し、形骸化してゆく兵法を批判しました。幕藩体制には安易に与さず、孤軍奮闘を貫き、定型や安定を嫌って自由奔放に生きた最後の傾奇者、宮本武蔵。その融通無碍な精神に天明屋尚がオマージュを捧げ描いた作品です。
天明屋尚 Hisashi TENMYOYA
1966 年東京生まれ。レコード会社のアートディレクターなどを経た後、現代美術家に。日本伝統絵画を現代に転生させる独自の絵画表現「ネオ日本画」を標榜し、権威主義的な美術体制に対して絵で戦う流派「武闘派」を 2000 年に旗揚げ。「天明屋尚と暁斎展」(河鍋暁斎記念美術館、2002)、「MOTアニュアル NO BORDER―「日本画」から/「日本画」へ」(東京都現代美術館、2006)、「第17回シドニー・ビエンナーレ」(2010)など。2010 年には南北朝期の婆娑羅、戦国末期の傾奇者といった華美(過美)で覇格(破格)な美の系譜を「BASARA」として提唱し、「BASARA 展」(スパイラル)をキュレーション。