聞き流し
和紙、墨
表具:勝村装雅堂
妖怪「聞き流し」とは、笛田本人が作り出したもの。夜中に現れて「話しをしてくれ、話をしてくれ」と頼まれて、言われた方は何かを話さなければならいと思い、話しているのに、ちっとも聞いてはいない妖怪。イラっとさせる妖怪である。基本的には自分が愛するものしか作品にしない笛田亜希だが、妖怪シリーズでは、ユーモラスでユニークなものを作り出し、鉛筆と墨の濃淡を生かして、非常に高度な絵画作品に仕上げている。
笛田亜希 Aki FUEDA
2001年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画修了。故郷である東京武蔵野に愛着を持ち、関連した数多くの作品を制作。中でも、吉祥寺にある井の頭自然文化園にいた象のはな子は、長年、絵画や立体の作品として何度も発表、はな子が亡き後には、JR吉祥寺駅に笛田によるブロンズのはな子像が設置された。動物や昆虫、植物などか弱くて逞しい生き物に対して深い愛情があり、天才的技術をいかんなく発揮するその作品は、絵画(油彩、水墨、水彩)、立体、それらを用いたインスタレーションなど多岐にわたる。